「隔たる世界の２人」は「ループもの」というＳＦ的な手法を、公民権運動以降も延々と続く黒人差別の現実へと接続した。「お前たちはループをＳＦとして観てられるけど、それこそがウチら黒人の歴史であり日常なんだぜ」と。ワンアイディアだけどいい批評になっている。
ただ、そのように描くことで「そうやって何度も何度も撃つ側に描くなよ！」「それだって偏見じゃねえか！」みたいに白人側の反発を誘発してしまう面もあって（もちろん偏見ではないものの）。でも結果的に「隔てる世界」を強化してしまうという面倒さもあるな、と思った。
ちなみに、欅がらみの「ループもの」といえば「残酷な観客」なわけだけど。。こちらは、歌、演技…などの表現よりも、その人生全体が「いいね（悪いね）」の対象になってしまうアイドルと、「ループもの」というＳＦ的手法を接続してる。プライベートの恋愛から、裏での礼儀正しさ、誰が誰の名前を出したか否かまで全て「いいね（悪いね）」の対象にされてしまう。そこから抜け出そうとしても、「アイドルから逸脱するアイドル」というショーにされてしまう。そうして病んでは倒れ、またデビューしては病んで…というアイドルの歴史をループにした、のだろうけど。。伝わらないまま、忘れ去られようとしている。。たぶんＷ主演のねるですら忘れてるんじゃないか（笑）
とはいえ、ＢＬＭはもちろんＩＬＭ（アイドル・ライブズ・マター）も大事だなと。いや、こう接続をすることでＢＬＭにも興味を持ってもらえたらなと。